グローバル展開を見据えた顧客満足度向上への挑戦
飲食店評価に特化したAI分析で店舗改善を促進するAIアンケートサービスRECOPO。AIで自動化されたアンケートにより、従来のアンケートサービスよりも高度に集約・分析が可能になり、店舗課題の定量・定性的可視化を負担なく実現できます。さらに継続的な改善アクションを実行し、RECOPOで評価・検証を行うことで、多くのお客様から長く愛され続ける飲食店を目指すことが可能です。
この記事では、そのRECOPOを活用して店舗運営の改善を進めているD&Nインターナショナル株式会社の事例を紹介します。
今回お話をうかがったのは、D&Nインターナショナル株式会社、Director 取締役の坂井健悟様です。
アジア太平洋地域で最も愛される日本企業ブランドを目指して
D&Nインターナショナル株式会社(以下、D&Nインターナショナル)は、ドトール・日レスホールディングスの海外事業を統括する企業として、現在6カ国で25店舗、3ブランドを展開しています。各国の展開形態は、100%子会社、現地企業とのジョイントベンチャー、フランチャイズと多様な形態を採用し、それぞれの市場特性に合わせた戦略で事業を展開しています。
顧客満足度調査への強い思い
売上向上につながる顧客満足度
顧客満足度が売上向上につながるという信念を持っています。新規のお客様数が変わらないとすると、リピート客数の増減は売上に直結します。顧客満足度が上がれば、より頻繁に来店していただけるはずです。
しかし、現場では「顧客満足を優先したら売上は上がらない」という誤解も存在していました。店長やスタッフの中には、お客様対応に時間をかけると客席回転率が下がると考える人もいました。この認識を変えるために、データで示す必要がありました。
アンケート実施の変遷
D&Nインターナショナルでは、2016年からシンガポールでNPSを測定する顧客アンケートを開始しました。当初は紙ベースで実施し、2018年にオンラインツールへと移行しました。
紙のアンケートは回答の集積作業に膨大な時間がかかる上に、分析する担当者によって質にばらつきが出てしまうという課題がありました。オンラインツールに移行後も、テキストデータの分析は依然として属人的で、改善の余地が残されていました。
RECOPO導入の決め手
AIによる定性コメントの分析
RECOPOを導入した最大の理由は、AIによる定性的コメントの自動分析機能です。
点数評価は評価者によって基準が大きく異なります。例えば、基準の厳しい方は良くても7点をつける一方で、基準の緩い方はどんなお店でも9点や10点をつけます。そのため、数値だけでは本当の評価はわかりません。
しかし、定性的なコメントには、お客様の感情や具体的な改善点、商品開発のヒントなど、数値では測れない重要な情報が含まれています。AIによる自動分析によって、より効率的に顧客インサイトを得られると考えました。
多言語対応と展開のしやすさ
複数の国で事業を展開するD&Nインターナショナルにとって、多言語対応も重要なポイントでした。各国で異なるツールを使用すると、フィードバックへの温度感にも差が生まれます。RECOPOであれば、統一した仕組みで運用ができると考えました。
代表の熱意
もう一つの決め手は、DiningXの代表である勝村さんの熱意でした。長く愛されるお店作りへの思いが伝わってきて、この方、この会社となら新しいことにチャレンジできると確信しました。
RECOPO導入後の変化
より正確な顧客満足度の把握
興味深い変化として、NPSスコアの大幅な変動がありました。以前のツールでは70点台という異常に高いスコアでしたが、RECOPOでは50点程度に落ち着きました。これは恐らく、以前は顔見知りのお客様にアンケートをお願いする傾向があったためです。RECOPOによって、より実態に近い『真の姿』が見えてきたと考えています。
タイムリーな分析と行動
分析資料がリアルタイムで共有できるようになり、アクションのスピードが格段に上がりました。その効果は、実際の店舗運営でも明確に表れています。ある店舗では店長が本国に帰国せざるを得なくなった際、顧客満足度が急激に低下しました。このように、人材の変化が満足度に与える影響を即座に把握できるようになりました。
従業員のモチベーション向上
顧客満足度の向上を従業員のインセンティブと連動させることで、モチベーション向上にも活用しています。特にアルバイトスタッフには、お客様からの評価で上位10名に入ると報奨金を出す仕組みを作っています。
国を超えた競争意識の醸成
予想外の効果として、国を超えた競争意識の芽生えがありました。フィリピンの店舗がシンガポールの高評価店舗を意識し始めるなど、良い意味での競争が生まれています。今後は国を横断した事例共有の会やポータルサイトの構築も検討しています。
今後の展望
アジア太平洋地域でのブランド価値向上
私たちの目標は、アジア太平洋地域で最も愛される日本企業ブランドになることです。日本の顧客満足に対する考え方やノウハウは世界一だと考えています。これを海外に広めていく中で、RECOPOには並走していただきたいですね。
AIを活用したマーケット分析への期待
今後はAIを活用し、より深いマーケット分析への展開も視野に入れています。業態別の顧客ニーズや各国の特徴など、より広い視点での分析ができれば、新規出店時のポジショニングにも活用できると考えています。
RECOPO導入を検討している企業様へ
お客様オリエンテッドで物事を考え、それを日々のアクションに反映させたい企業にとって、RECOPOは非常に有効なツールになります。また、複数の地域や業態で展開している企業には、顧客ニーズの違いを把握する手段としても活用できます。
顧客満足度の向上が売上向上につながることを、データで示せることもRECOPOを導入するメリットです。これまで顧客満足度と売上の関連性を信じきれなかった店舗のオーナーの方々にとっても、説得力のある材料になるはずです。
株式会社 DiningX